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3号書面(員面調書・私人の供述書)とは

さんごうしょめん

刑事訴訟法 伝聞法則

3号書面とは、裁判官面前調書・検察官面前調書以外の被告人以外の者の供述書・供述録取書(司法警察員に対する供述調書、私人の供述書や手紙、捜査報告書中の参考人供述など)で、供述不能と、犯罪事実の存否の証明に欠くことができないことと、特に信用すべき情況(絶対的特信情況)の三つがそろったときに限り証拠にできるものです(321条1項3号)。

被害者が警察官に話して署名した供述調書、知人に宛てて事件のことを書いた手紙、捜査報告書の中に書き取られた参考人の話は、どれも裁判官の前でも検察官の前でもない場で生まれた供述です。手続の保障が薄いので、321条1項3号は一番重い要件を課しました。供述者が公判に出られないことに加えて、その供述が犯罪事実の証明に欠かせないことと、特に信用できる情況でされたことの三つが全部そろわないと使えません。

法廷の場面。先生が裁判官役(札「裁判所」)で法壇に座る。男性の検察官(札「検察官」)が「供述調書(司法警察員面前)」と書かれた書面を掲げ、吹き出し「被害者は国外に転居して出廷できません。警察で作った調書を証拠にしてください」。先生の吹き出し

3号書面は供述不能・不可欠性・絶対的特信情況の三つが全部必要で、二つでは足りません

321条1項3号は、1号・2号に掲げる書面以外の書面について、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備・公判期日において供述することができず(供述不能)、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき(不可欠性)で、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるとき(絶対的特信情況)に限って証拠にできるとします。2号後段の特信情況が公判供述との比較で決まる相対的なものであるのに対し、3号の特信情況は供述それ自体が特に信用できる情況でされたことを求めるので絶対的特信情況と呼びます。「供述者の供述不能の要件が存在し、かつ、その供述が特に信用すべき情況(絶対的特信情況)の下にされたものであることが認められれば、同項第3号により証拠能力が認められる。」という肢は、不可欠性を落としているので誤りです。供述不能の事由が例示であることは2号と同じです。

司法警察員の面前の供述調書・私人の供述書や手紙・捜査報告書中の供述・外国の捜査機関の調書が3号書面です

3号に入るのは、1号・2号以外のすべての書面です。司法警察職員に対する被告人以外の者の供述調書(員面調書)が代表で、被害者の供述を司法警察員が録取した書面は3号、検察官が録取した書面は2号なので要件が違います。私人が作成した供述書、知人に宛てた手紙、日記の記載も、内容の真実性を立証に使うなら3号書面です。捜査官が参考人から聞き取った内容を書いた捜査報告書は、参考人の供述の部分について3号で判断します。酒酔い鑑識カードのうち、警察官が被疑者に所定の質問をしてその応答を簡単に記載した問答欄は、検証の結果ではなく捜査報告書の性質を持つものとして321条1項3号の書面に当たります(最判昭和47年6月2日)。化学判定欄や外部的状態の観察欄が321条3項の検証調書に当たるのとは扱いが分かれます。「酒酔い鑑識カードは,被疑者との問答欄であっても,…同条第3項の書面にあたる。」という肢は誤りです。国際捜査共助の要請に基づいて外国の捜査機関が作成した供述調書も、検察官の面前の供述ではないので3号書面として扱い、最高裁は、犯罪事実の証明に欠くことができないことを前提に、黙秘権が実質的に告知され肉体的・精神的強制が加えられた形跡がないなどの事情から特に信用すべき情況を認めた原判断を是認しました(最判平成23年10月20日)。

交番の前の場面。先生(札「先生」)が男性の巡査(札「巡査」)の持つ「酒酔い鑑識カード」と書かれた一枚の用紙を一緒に見ている。用紙は上下二つの欄に分かれ、上の欄に「化学判定・外観(歩行・言語・酒臭)」、下の欄に「問答(質問と被疑者の答え)」と

公判廷で証人が被告人以外の者の供述を語る伝聞供述には、3号の要件が準用されます

書面ではなく、証人が法廷で「友人のWが事件直後に現場付近で甲を見たと言っていた」と述べる場合、Wの供述を内容とする伝聞供述です。324条2項は、被告人以外の者の公判供述で被告人以外の者の供述を内容とするものに321条1項3号を準用します。したがって、Wが所在不明で供述できず、Wの供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないもので、特に信用すべき情況の下にされたときに限って証拠にできます。「Wが所在不明であるため公判期日において供述することができず,かつ,Wの供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるときは,Wの供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り,これを証拠とすることができる。」という肢は正しく、2号後段のように「Wが公判期日においてWがBにした供述と相反する供述をしたときで,かつ,…信用すべき特別の情況の存するときに限り」とする肢は誤りです。原供述者Wが公判に出て違うことを言ったという事情は、3号では証拠能力の根拠になりません。再伝聞の処理は別の語で扱います。

3号書面の要件と例

  • 要件は供述不能(事由は例示)+犯罪事実の存否の証明に欠くことができないこと+特に信用すべき情況の三つ全部です
  • 員面調書(司法警察職員に対する被告人以外の者の供述調書)は3号で、同じ人の検面調書は2号です
  • 私人の供述書・手紙・日記、捜査報告書に書き取られた参考人の供述は3号です
  • 酒酔い鑑識カードの問答欄は捜査報告書の性質を持つ3号書面です(最判昭和47年6月2日)
  • 外国の捜査機関が国際捜査共助で作成した供述調書は3号です(最判平成23年10月20日)
  • 被告人以外の者の供述を内容とする公判廷の伝聞供述は324条2項で3号を準用します
  • 供述録取書なら供述者の署名又は押印が要り、被告人自身の供述は3号ではなく322条です

刑事訴訟法321条1項3号

前二号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。

論文ではこう使う

員面調書や私人の書面を使う場面では、まず1号・2号に当たらないことを確認して3号を選び、供述不能・不可欠性・絶対的特信情況の三つを順に当てはめます。不可欠性は、その供述がなければ犯罪事実の認定ができないか(他に同じ事実を立証する証拠があるか)で判断し、絶対的特信情況は供述時の外部的な事情(事件直後の自発的な供述か、利害関係の有無、録取の方法)から認定します。伝聞供述の問題では、324条2項が3号を準用することを示したうえで、同じ三要件を原供述者について検討します。

試験ではこう問われる

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