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動産の付合・混和・加工(243条〜248条)とは

どうさんのふごうこんわかこう

民法 占有権・所有権

動産の付合とは、所有者の違う動産が結合して損傷しなければ分離できなくなることで、混和は物が混ざって識別できなくなること、加工は他人の動産に工作を加えて新しい物を作ることです。合成物・混和物・加工物の所有権の帰属は243条〜246条で決まり、所有権を失った者は償金を請求できます(248条)。

他人の発動機を自分の船に取り付けて外せなくなったり、二人のワインが同じ樽で混ざってしまったり、他人の木材で彫刻を作ったりしたとき、出来上がった物を元に戻すことはできません。民法は、動産どうしがくっついたときを付合、混ざったときを混和、他人の材料に手を加えて新しい物を作ったときを加工と呼び、出来上がった物を誰のものにするかを決めています。所有権を失った人には、お金での精算(償金)を認めています。

港の造船所の場面。船(札「Aの船舶 600万円」)に発動機(札「Bの発動機 400万円」)が取り付けられ、外せない状態になっている。船の横に男性(札「A」)と女性(札「B」)。先生が説明役(札「先生」)で黒板に「3:2で共有」と書いている。

動産が付合すれば合成物は主たる動産の所有者のものになり、主従を区別できなければ付合の時の価格の割合で共有します

所有者の違う数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離できなくなったとき、又は分離に過分の費用がかかるときは、合成物の所有権は主たる動産の所有者に帰属します(243条)。「その合成物の所有権は,主たる動産の所有者に帰属する」という肢は正しいです。主従の区別ができる場合に、従たる動産の所有者が持分を取得することはありません。「従たる動産の所有者は,その付合の時における価額の割合に応じてその合成物の共有持分を取得する」という肢は誤りです。付合した動産について主従の区別ができないときは、各動産の所有者は付合の時における価格の割合に応じて合成物を共有します(244条)。裁判所が所有者を定めるのではありません。「各動産の所有者のうち一人又は数人の請求により,裁判所がその所有者を定める」という肢は誤りです。時価600万円の船舶に時価400万円の発動機が取り付けられ、主従の区別がつかなければ、船の所有者と発動機の所有者が3対2の割合で共有します。「当該発動機付船舶は,3対2の割合でAとBが共有する」という肢は正しいです。

所有者の違う物が混ざって識別できなくなった混和も、動産の付合と同じく扱います

所有者を異にする物が混和して識別することができなくなった場合には、243条と244条が準用されます(245条)。主従の区別ができれば主たる物の所有者が混和物を取得し、区別できなければ混和の時の価格の割合で共有します。「その混和物は、その混和の時における価格の割合に応じてAとBとが共有する」という肢は正しいです。100立方メートルの液体に10立方メートルの液体が混ざって識別できなくなり、多いほうの所有者が混和物の所有権を取得した場合、少ないほうの所有者は償金を請求できます。「BはAに対し,不当利得の規定に従い,その償金を請求することができる」という肢は正しいです。

工房の場面。作業台の上に完成した彫刻(札「加工物」)と、その横に元の木材の切れ端(札「Aの木材」)。彫刻刀を持った男性(札「加工者B」)と、木材の持ち主の女性(札「材料の所有者A」)が並んでいる。先生が説明役(札「先生」)。先生の吹き出し「

加工物は材料の所有者のものが原則で、工作で生じた価格が材料の価格を著しく超えるときや、加工者が材料の一部を出して合計が他人の材料を超えるときは加工者のものになります

他人の動産に工作を加えた者(加工者)があるときは、加工物の所有権は材料の所有者に帰属します(246条1項本文)。ただし、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者が加工物の所有権を取得します(246条1項ただし書)。加工者の工作の価値を重く見るべきだからです。「その工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは,加工者がその加工物の所有権を取得する」という肢と、「工作によって生じた価格が甲の価格を著しく超えるときは、乙の所有権は、Aに帰属する」という肢は正しいです。加工者が材料の一部を出したときは、その材料の価格に工作によって生じた価格を加えたものが他人の材料の価格を超えるときに限り、加工者が所有権を取得します(246条2項)。建前に第三者が材料を加えて建物に仕上げた場合もこの246条2項で決めることは、不動産の付合の語で扱います。

所有権を失った者は不当利得の規定に従って償金を請求でき、所有権の帰属と償金の定めは当事者の合意で変えられます

付合・混和・加工の規定によって損失を受けた者は、703条と704条の規定に従い、償金を請求することができます(248条)。「BはAに対して償金を請求することができる」という肢は正しいです。この償金請求権は、意思表示だけで法律関係を変動させる形成権ではなく、不当利得の規定に従って金銭を求める債権です。「動産が付合したときの従たる動産の所有者が有する償金請求権」は、形成権としての性質を有する権利に当たりません。物の所有権が消滅したときは、その物の上の他の権利も消滅し、所有者が合成物などの単独所有者や共有者になれば、他の権利はその合成物や持分の上に存続します(247条)。分離を許さない点は、分離による社会経済上の損失を避ける趣旨から強行規定と解されますが、誰に所有権を帰属させるかと償金の扱いは当事者の意思に任せても損失が生じないので任意規定と解されています。そのため、加工の前に材料の所有者と加工者が246条と異なる合意をすれば、その合意が優先します。「加工前に所有者と加工者との間で民法の加工に関する規定と異なる合意をしても,その合意の効力は生じない」という肢は誤りです。

  • 動産の付合(243条・244条)主従あり=主たる動産の所有者/主従なし=付合時の価格の割合で共有
  • 混和(245条)動産の付合と同じ
  • 加工(246条)原則=材料の所有者/工作の価格が材料を著しく超える=加工者/加工者が材料の一部を出した=自分の材料+工作が他人の材料を超えれば加工者
  • 償金(248条)不当利得の規定に従う金銭債権で、形成権ではない

民法243条

所有者を異にする数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。分離するのに過分の費用を要するときも、同様とする。

民法244条

付合した動産について主従の区別をすることができないときは、各動産の所有者は、その付合の時における価格の割合に応じてその合成物を共有する。

民法246条1項

他人の動産に工作を加えた者(以下この条において「加工者」という。)があるときは、その加工物の所有権は、材料の所有者に帰属する。ただし、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者がその加工物の所有権を取得する。

試験ではこう問われる

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