1命令等を定める機関(閣議の決定により命令等が定められる場合にあっては、当該命令等の立案をする各大臣。以下「命令等制定機関」という。)は、命令等を定めるに当たっては、当該命令等がこれを定める根拠となる法令の趣旨に適合するものとなるようにしなければならない。
2命令等制定機関は、命令等を定めた後においても、当該命令等の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、必要に応じ、当該命令等の内容について検討を加え、その適正を確保するよう努めなければならない。
この条文の過去問 2問
正しい。省令は法律に基づく命令として命令等に当たるから制定前に意見公募手続が義務付けられ(39条1項)、制定後も内容を検討して適正を確保する努力義務が続く(38条2項)。
省令は行政手続法2条8号イの法律に基づく命令であり、これを定める大臣は命令等制定機関として同法第6章の規律に服する。同法39条1項は、命令等制定機関が命令等を定めようとする場合には、案と関連資料をあらかじめ公示し、意見の提出先と意見提出期間を定めて広く一般の意見を求めなければならないと定め、この手続は努力義務ではなく法的義務であるから、同条4項の除外事由に当たらない限り省令の制定には意見公募手続が要求される。他方、同法38条2項は、命令等制定機関は命令等を定めた後においても、その規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、必要に応じて内容に検討を加え、その適正を確保するよう努めなければならないと定める。制定前は意見公募という手続で、制定後は継続的な見直しで命令等の適正を確保する構造であり、前段が法的義務、後段が努力義務であることも含めて、本肢は条文どおりである。

命令等制定機関は、命令等を定めた後においても、当該命令等の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、必要に応じ、当該命令等の内容について検討を加え、その適正を確保するよう努めなければならない。
- 対象:命令等(法律に基づく命令・規則、審査基準、処分基準、行政指導指針)。法律案は対象外
- 制定前:案と関連資料を公示し、提出先と意見提出期間(公示の日から30日以上)を定めて広く意見を求める。法的義務(39条1項・3項)
- 省略:公益上緊急に定める必要があるときなど39条4項の事由に当たれば手続を省ける
- 制定時:提出意見を十分考慮し(42条)、命令等の公布と同時期に、提出意見・考慮した結果・理由を公示する(43条1項)
- 制定後:実施状況や社会経済情勢の変化を勘案して内容を検討し、適正を確保する努力義務(38条2項)
誤り。違うのは「行政指導指針を定める場合には適用がない」の部分である。
行政手続法39条1項は、命令等制定機関は命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案及び関連資料をあらかじめ公示し、意見の提出先及び提出期間を定めて広く一般の意見を求めなければならないと定める。ここでいう命令等は同法2条8号が定義しており、法律に基づく命令又は規則(イ)、審査基準(ロ)、処分基準(ハ)と並んで、行政指導指針(ニ)が明示的に挙げられている。行政指導指針とは、同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときに共通してその内容となるべき事項をいい、行政指導自体には法的拘束力がなくても、指針は多数の相手方の行動を事実上規律するから、その策定過程に国民の意見を反映させる必要があると考えられた。したがって行政機関が行政指導指針を定める場合にも意見公募手続の規定は適用され、本肢はこれを除外している点が誤りである。

命令等 内閣又は行政機関が定める次に掲げるものをいう。イ 法律に基づく命令(処分の要件を定める告示を含む。)又は規則 ロ 審査基準 ハ 処分基準 ニ 行政指導指針
- ["含まれるもの", "法律に基づく命令・規則(処分の要件を定める告示を含む)、審査基準、処分基準、行政指導指針(2条8号)"]
- ["規制・給付の区別", "ない。給付に係る命令等も対象になる"]
- ["含まれないもの", "行政計画、法律案、命令等を定める行為が処分に該当する場合の命令等(3条2項)"]
- ["手続の骨格", "案と関連資料の公示、30日以上の意見提出期間(39条3項)、提出意見の十分な考慮(42条)、結果の公示(43条)"]
- ["救済", "命令等は処分ではないから、不服申立てや取消訴訟の対象にならない"]




