行政権は、内閣に属する。
この条文の過去問 4問
誤り。違うのは「全ての行政について内閣が直接に指揮監督権を持つことが要求される」の部分である。65条は内閣が行政全般を統括し国会に責任を負う体制を求めるにとどまる。
65条は行政権は内閣に属すると定めるが、国会を国の唯一の立法機関とする41条や、すべて司法権は裁判所に属するとする76条1項と異なり、独占を示す文言を用いていない。この文言の差異から、65条は行政のすべてが内閣の直接の指揮監督下に置かれることまで要求したものではないと解するのが通説である。内閣が行政全般について統括する地位に立ち、国会に対して連帯して責任を負う(66条3項)体制が確保されていれば足りる。この理解に立てば、人事院、公正取引委員会、国家公安委員会などの独立行政委員会が職権行使について独立性を認められ内閣の指揮監督に服さないとされていても、所掌事務の性質上、政治的中立性、専門技術性あるいは準司法的性格が強く要請されること、委員の任命権を内閣が有し、予算の作成・提出(73条5号)や組織法の制定を通じて最終的に国会による民主的コントロールが及ぶことから、65条に違反しないと説明される。本肢は全ての行政について内閣が直接に指揮監督権を持つことを要求しており、65条の理解として狭きに失し、誤りである。

行政権は、内閣に属する。/内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。
- 内閣の総辞職(70条):内閣総理大臣が欠けたとき、及び衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があったとき。「欠けたとき」に辞職を含まない見解でも、首長(66条1項)を失った内閣は存続できず総辞職する。総辞職後も新たな内閣総理大臣の任命まで職務を行う(71条)
- 65条の意味:41条の「唯一」・76条1項の「すべて」と異なり独占の文言がなく、内閣が行政全般を統括し国会に連帯責任を負う(66条3項)体制があれば足りる。政治的中立性を要する事務を担う独立行政委員会は、内閣の任命権・予算と国会の統制が及ぶ限り65条に反しない
- 文民条項(66条2項):文民の意義には争いがあるが、現職の自衛官が文民に当たらないことはいずれの見解でも変わらず、任命には自衛官を退職する必要がある
誤り。違うのは「独立行政委員会の職務全般に対しては、内閣の直接的な指揮監督権が及ぶ」の部分である。独立行政委員会は職権行使について内閣の指揮監督に服さず、65条もそれを要求しない。
65条は「行政権は、内閣に属する」と定めるにとどまり、41条の「唯一の」や76条1項の「すべて」に当たる限定的な文言を置いていない。この文言上の対比から、通説は、65条は行政権が例外なく内閣に帰属し内閣の指揮監督が全面的に及ぶことまで要求する趣旨ではなく、内閣以外の機関が行政作用の一部を独立して担うことを許容していると解する。実際、人事院や公正取引委員会などの独立行政委員会は、法律上その職権行使の独立性が保障され、所掌事務の遂行について内閣の個別的な指揮監督には服さない。それでもこれらが合憲とされるのは、職務が高度の政治的中立性や専門技術性を要し、時々の内閣の意向からの独立が制度目的そのものであること、内閣が委員の任命権や予算の作成・提出権を通じて間接的な統制を及ぼし得ること、法律の制定改廃・予算審議・国政調査権を通じて最終的に国会の民主的統制が及び、責任行政の要請が満たされることによる。本肢は現行法の仕組みにも通説にも反する。

行政権は、内閣に属する。
- 準立法的作用(規則制定):法律の委任に基づき、その範囲内で行われる限り41条に反しない
- 準司法的作用(審決・裁決):76条2項後段が禁じるのは終審だけであり、裁判所への出訴の道が開かれた前審であれば76条1項に反しない
- 内閣からの独立:65条には「唯一」「すべて」の文言が無く、全ての行政に内閣の直接の指揮監督が及ぶことまで要求しない。職権行使について内閣の指揮監督を受けない
- 統制の仕組み:内閣は委員の任命権と予算の編成権で、国会は任命への同意・法律の制定改廃・国政調査で間接的に統制し、責任行政の要請を満たす
正しい。行政各部の指揮監督は本来内閣の権限であり、内閣総理大臣は内閣を代表してこれを行うにとどまるから、内閣は行政各部の行為についても国会に対し連帯して責任を負う(66条3項)。
72条は、内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督すると定める。「内閣を代表して」という文言が示すとおり、行政各部を指揮監督する権限は、行政権の帰属主体である内閣(65条)に属するものであり、内閣総理大臣は内閣の首長としてこれを代表して行使する立場にある。行政各部は内閣の指揮監督の下で行政事務を分担しているのであるから、行政各部の行為は、内閣に属する行政権の行使の一環である。そして66条3項は、内閣は行政権の行使について国会に対し連帯して責任を負うと定める。この責任は、議院内閣制の下で内閣が国会の信任に依拠して存立することに対応する政治責任であり、その対象は内閣自身の決定に限られず、内閣の指揮監督が及ぶ行政各部の行為にも及ぶ。指揮監督の権限が内閣にあることと、その結果について内閣が責任を負うこととは表裏の関係にある。

内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。/内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。
| 内容 | 根拠 | |
|---|---|---|
| 内閣総理大臣が単独で行う | 国務大臣の任命・罷免。認証は効力要件ではない | 68条、7条5号 |
| 内閣総理大臣が単独で行う | 国務大臣の訴追に対する同意 | 75条 |
| 内閣を代表して行う | 議案の提出、一般国務・外交関係の報告、行政各部の指揮監督。本来は内閣の権限 | 72条 |
| 内閣が行う | 一般行政事務と73条各号の事務。行政権は内閣に属する | 65条、73条 |
| 責任 | 行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う | 66条3項 |
誤り。違うのは「同条以外に,内閣が行政事務を行う一般的権限を有することを示す規定はない」の部分である。65条が「行政権は、内閣に属する」と定めている。
73条は、内閣は「他の一般行政事務の外」左の事務を行うとして、法律の誠実な執行と国務の総理、外交関係の処理、条約の締結、官吏に関する事務の掌理、予算の作成と提出、政令の制定、恩赦の決定を1号から7号までに列挙している。本肢の前半はこのとおりである。しかし、内閣が行政事務を行う一般的権限を有することを示す規定は73条に限られない。65条は「行政権は、内閣に属する」と定め、行政権を内閣に帰属させている。通説である控除説によれば、行政権とはすべての国家作用から立法作用と司法作用を除いた残りの作用をいうから、65条は、個別に列挙されていない多様な行政事務を含めて、内閣が一般的に行政事務を行う権限をもつことを示す規定である。73条柱書の「他の一般行政事務」という文言も、65条によって内閣に属するとされた行政権の存在を前提として、その中の重要な事務を例示的に取り出したものと読むことができる。

行政権は、内閣に属する。
| 内容 | 根拠 | |
|---|---|---|
| 内閣総理大臣が単独で行う | 国務大臣の任命・罷免。認証は効力要件ではない | 68条、7条5号 |
| 内閣総理大臣が単独で行う | 国務大臣の訴追に対する同意 | 75条 |
| 内閣を代表して行う | 議案の提出、一般国務・外交関係の報告、行政各部の指揮監督。本来は内閣の権限 | 72条 |
| 内閣が行う | 一般行政事務と73条各号の事務。行政権は内閣に属する | 65条、73条 |
| 責任 | 行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う | 66条3項 |






























































