1処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して三月(当該処分について再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定があったことを知った日の翌日から起算して一月)を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
2処分についての審査請求は、処分(当該処分について再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定)があった日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
3次条に規定する審査請求書を郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便で提出した場合における前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。)の計算については、送付に要した日数は、算入しない。
この条文の過去問 4問
正しい。行政不服審査法18条が審査請求期間を定めるのは処分についての審査請求だけであり、不作為についての審査請求には期間の制限がなく、不作為が続く限りいつでもできる。
行政不服審査法18条1項は、処分についての審査請求は処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月を経過したときはすることができないと定め、同条2項は処分の日の翌日から起算して1年の期間を置くが、いずれも対象を処分についての審査請求に限っており、不作為についての審査請求の期間を定めた規定はない。審査請求期間を置くのは、処分によって形成された法律関係を早期に安定させるためであるが、不作為は申請に対して行政庁が相当の期間内に何らの処分もしないという状態が続いているだけで、安定させるべき法律関係が生じていない。しかも不作為は日々継続する状態であり、いつを起算点とするかを定めることもできない。したがって、法令に基づく申請をした者は、不作為が続く限りいつでも不作為についての審査請求をすることができる(3条)。本肢は、この不作為についての審査請求の性質と18条の適用範囲を正しく述べている。

処分についての審査請求は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して三月(当該処分について再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定があつたことを知つた日の翌日から起算して一月)を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
- 処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内、処分の日の翌日から起算して1年以内にする(18条1項・2項)。正当な理由があるときは例外である
- 不作為についての審査請求には期間の定めがなく、不作為が続く限りいつでもできる(18条は処分についての審査請求だけを対象にしている)
- 再調査の請求も処分を知った日の翌日から3か月・処分の日の翌日から1年(54条)
- 再審査請求は原裁決があったことを知った日の翌日から1か月・原裁決の日の翌日から1年(62条)
- 誤って長い期間を教示した場合に法定期間内とみなす旧法19条の規定は、平成26年の全面改正で削られ、18条1項ただし書の正当な理由で扱う
正しい。出題当時の行政不服審査法19条は、行政庁が誤って法定の期間より長い期間を不服申立期間として教示した場合に、教示された期間内にされた不服申立てを法定の期間内にされたものとみなすと定めていた。現行法にはこの規定がなく、18条1項ただし書の正当な理由によって救済される。
平成26年の全面改正前の行政不服審査法19条は、行政庁が誤って法定の期間よりも長い期間を不服申立期間として教示した場合において、その教示された期間内に不服申立てがされたときは、当該不服申立ては法定の不服申立期間内にされたものとみなすと定めていた。教示は不服申立ての機会を保障するために行政庁に課された義務であり、その誤りの不利益を、教示を信頼した申立人に負わせるべきではないという考え方に基づく規定である。本肢はこの規定を述べたものであり、出題当時の法令に照らして正しい。平成28年4月に施行された現行法はこの規定を置かず、審査請求期間の徒過は18条1項・2項のただし書にいう正当な理由があるかどうかで扱われる。誤った教示を信じて期間を過ぎた場合は正当な理由に当たると解されるため、救済の結論は同じであるが、法定期間内にされたものとみなすという法律上の効果を定めた条文はもう存在しない。現行法で本肢を読むと誤りになることを踏まえておく必要がある。

行政庁が誤つて法定の期間よりも長い期間を不服申立期間として教示した場合において、その教示された期間内に不服申立てがされたときは、当該不服申立ては、法定の不服申立期間内にされたものとみなす。
- 処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内、処分の日の翌日から起算して1年以内にする(18条1項・2項)。正当な理由があるときは例外である
- 不作為についての審査請求には期間の定めがなく、不作為が続く限りいつでもできる(18条は処分についての審査請求だけを対象にしている)
- 再調査の請求も処分を知った日の翌日から3か月・処分の日の翌日から1年(54条)
- 再審査請求は原裁決があったことを知った日の翌日から1か月・原裁決の日の翌日から1年(62条)
- 誤って長い期間を教示した場合に法定期間内とみなす旧法19条の規定は、平成26年の全面改正で削られ、18条1項ただし書の正当な理由で扱う
誤り。違うのは「取消訴訟の出訴期間(処分があったことを知った日を基準として起算されるもの)が経過した場合には、もはやその訴えを提起し得る余地はない」の部分である。
行政不服審査法18条1項は、処分についての審査請求は処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月を経過したときはすることができないとし、ただし書で正当な理由があるときはこの限りでないと定める。行政事件訴訟法14条1項も、取消訴訟は処分又は裁決があったことを知った日から6か月を経過したときは提起することができないとしたうえで、ただし書で正当な理由があるときはこの限りでないと定めており、出訴期間の徒過についても救済の余地を残している。平成16年改正前の同項は3か月の出訴期間を不変期間とし、追完の可否は民事訴訟法の規定によっていたが、改正で期間を6か月に延ばすとともに、審査請求と同じく正当な理由という柔軟な例外を設けた。処分の日から1年という客観的期間(同条2項)にも同じただし書がある。教示がされなかったなど、期間内に訴えを提起できなかったことについて本人に責めがない事情があれば、正当な理由が認められる。本肢は審査請求について例外を認めながら、取消訴訟について例外を否定している点が誤りである。

取消訴訟は、処分又は裁決があつたことを知つた日から六箇月を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
| 審査請求(行審法) | 取消訴訟(行訴法) | |
|---|---|---|
| 審理の対象 | 違法又は不当(1条1項) | 違法のみ。裁量処分は逸脱・濫用に限る(30条) |
| 適用除外 | 7条1項に列挙(教育上の処分、刑事事件の処分など) | 対応する列挙なし |
| 処分の変更 | 審査庁が上級行政庁・処分庁なら変更可(46条1項)。不利益変更は禁止(48条) | 取消し・棄却のみ。変更はできない |
| 期間 | 知った日の翌日から3か月。正当な理由があればこの限りでない(18条1項) | 知った日から6か月。正当な理由があればこの限りでない(14条1項) |
| 執行停止 | 停止その他の措置。職権でも可(25条) | 停止のみ。申立てが必要(25条) |
誤り。違うのは末尾の「同じ日数である」の部分である。
行政事件訴訟法14条1項は、取消訴訟は処分又は裁決があったことを知った日から6か月を経過したときは提起することができないと定め、正当な理由があるときはこの限りでないとする。これに対し行政不服審査法18条1項は、処分についての審査請求は処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月を経過したときはすることができないと定め、同じく正当な理由がある場合を除外している。知った日を基準とする期間は取消訴訟が6か月、審査請求が3か月であり、日数は異なる。審査請求は簡易迅速な手続として期間が短く、取消訴訟は最終的な司法救済の機会として平成16年改正で3か月から6か月に延長された。なお、処分の日を基準とする期間は、取消訴訟が処分の日から1年(14条2項)、審査請求が処分があった日の翌日から起算して1年(18条2項)でそろっている。本肢は知った日を基準とする期間が同じ日数であるとしており、誤りである。

取消訴訟は、処分又は裁決があつたことを知つた日から六箇月を経過したときは、提起することができない。/処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して三月(…)を経過したときは、することができない。
| 事項 | 行政不服審査法 | 行政事件訴訟法 |
|---|---|---|
| 申立て・訴えの適格 | 明文なし(判例は法律上の利益がある者に限る) | 原告適格の規定あり(9条) |
| 処分の差止め | 規定なし | 差止めの訴え(3条7項・37条の4) |
| 期間(知った日基準) | 3か月(18条1項) | 6か月(14条1項) |
| 期間(処分の日基準) | 1年(18条2項) | 1年(14条2項) |
| 教示 | 処分の際の教示義務(82条)、誤った教示の救済(22条・55条・83条) | 教示義務あり(46条)。誤った教示の救済規定はなし |
| 審理の対象 | 違法・不当 | 違法のみ |






