社債の基本|発行手続・社債権者の保護・社債管理者
商法
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会社法の社債制度を解説。社債の発行手続、社債管理者の設置義務、社債権者集会、社債管理補助者の制度を整理します。
この記事のポイント
社債は会社の資金調達手段の一つであり、社債権者保護のために社債管理者・社債管理補助者・社債権者集会の制度が設けられている。 2019年改正で社債管理補助者制度が新設された。
社債の意義
定義
社債とは、会社法の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、募集社債に関する事項に従い償還されるもの(2条23号)。
社債と株式の比較
| 比較項目 | 社債 | 株式 |
|---|---|---|
| 法的性質 | 金銭債権 | 社員権 |
| 配当/利息 | 利息(確定額) | 配当(不確定) |
| 返還 | 償還期限に返済 | 原則なし |
| 議決権 | なし | あり |
| 残余財産 | 株式に優先 | 社債に劣後 |
社債の発行手続
募集事項の決定
| 決定機関 | 内容 |
|---|---|
| 取締役会 | 募集社債に関する事項の決定(362条4項5号) |
| 代表取締役への委任 | 一定の範囲で可能 |
募集社債に関する事項(676条)
- 社債の総額
- 各社債の金額
- 利率
- 償還の方法及び期限
- 利息支払の方法及び期限
社債管理者(702条〜)
設置義務
| 場面 | 義務 |
|---|---|
| 原則 | 社債管理者の設置が必要(702条) |
| 例外 | 各社債の金額が1億円以上、又は社債の総数が50未満の場合は不要 |
社債管理者の資格
- 銀行、信託会社その他これに準ずる者
社債管理者の権限と義務
| 権限・義務 | 内容 |
|---|---|
| 弁済の受領 | 社債権者のために弁済を受ける権限 |
| 訴訟・執行 | 社債権者のための訴訟追行・強制執行 |
| 公平誠実義務 | 社債権者に対する公平誠実義務(704条) |
| 善管注意義務 | 善良な管理者としての注意義務(704条) |
社債管理補助者(714条の2〜)【2019年改正新設】
趣旨
社債管理者の設置が不要な場合でも、社債権者の保護を図るための簡易な管理制度。
| 項目 | 社債管理者 | 社債管理補助者 |
|---|---|---|
| 設置 | 義務的(原則) | 任意的 |
| 資格 | 銀行・信託会社等 | 弁護士・弁護士法人等も可 |
| 権限 | 広範(弁済受領・訴訟等) | 限定的(破産手続参加等) |
| 義務 | 公平誠実義務・善管注意義務 | 同左 |
社債権者集会(715条〜)
招集
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 招集権者 | 社債管理者、社債発行会社、一定の社債権者 |
| 決議事項 | 会社法所定の事項及び社債権者の利害に関する事項 |
決議要件
| 決議の種類 | 要件 |
|---|---|
| 普通決議 | 出席議決権の過半数 |
| 特別決議 | 議決権総額の1/5以上の出席かつ出席議決権の2/3以上 |
裁判所の認可
社債権者集会の決議は裁判所の認可を得なければ効力を生じない(734条)。
新株予約権付社債
転換社債型新株予約権付社債
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 意義 | 社債に新株予約権が付されたもの |
| 行使 | 新株予約権を行使して社債を株式に転換 |
| 非分離型 | 新株予約権と社債を分離して譲渡できない |
まとめ
- 社債は会社を債務者とする金銭債権
- 社債管理者は原則設置義務あり(例外:1億円以上等)
- 社債管理補助者は2019年改正で新設された任意的制度
- 社債権者集会の決議は裁判所の認可が必要
- 新株予約権付社債は社債と新株予約権の結合商品
FAQ
Q1. 社債と借入金の違いは?
社債は有価証券として流通性があり、多数の投資家から資金調達が可能です。借入金は特定の金融機関との相対取引です。社債には社債管理者等の制度的保護がありますが、借入金にはありません。
Q2. 社債のデフォルト(債務不履行)の場合はどうなりますか?
社債管理者が社債権者のために弁済の請求や訴訟追行を行います。社債権者集会で破産申立て等の決議を行うことも可能です。
Q3. グリーンボンドとは何ですか?
環境改善事業の資金調達を目的として発行される社債です。会社法上は通常の社債と同じ規制に服しますが、発行体は資金使途について投資家に報告する義務を負います。
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