判決の効力|既判力・執行力・形成力の体系的理解
判決の効力を体系的に解説。既判力・執行力・形成力の意義、反射効・争点効の問題、判決の確定時期を整理します。
この記事のポイント
確定判決の効力は既判力・執行力・形成力に分かれ、既判力が最も基本的な効力である。 反射効と争点効は判例で認められていない点も重要。
判決の3つの効力
効力 内容 発生場面 既判力 後訴で判断内容が拘束する効力 全ての確定判決 執行力 強制執行をなしうる効力 給付判決 形成力 法律関係を変動させる効力 形成判決反射効
意義
確定判決の既判力が及ばない第三者に対して、判決が事実上影響を及ぼすこと。
判例の立場
判例は反射効を否定する傾向にある。既判力は115条に列挙された者にのみ及び、第三者への拡張は限定的。
争点効
意義
前訴の判決理由中で判断された争点について、後訴で同一争点が問題となった場合に拘束力を認める法理。
判例の立場
最判昭44.6.24:判例は争点効を認めていない。既判力は114条1項により主文に包含するものに限られる。
学説
学説 内容 肯定説 紛争の一回的解決のため争点効を認めるべき 否定説(判例) 手続保障の観点から既判力のみで処理すべき 信義則による遮断 争点効ではなく信義則(2条)により矛盾挙動を排除確定判決の効力の時的限界
基準時
事実審の口頭弁論終結時。
基準時後の事由
基準時後に生じた新たな事由は既判力に遮断されず、後訴で主張可能。
基準時後の事由 主張の可否 弁済 可能 相殺 可能(基準時後に発生した反対債権) 免除 可能 時効完成 基準時後に完成した場合は可能まとめ
- 判決の効力は既判力・執行力・形成力の3つ
- 反射効は判例で否定的、争点効も判例は認めていない
- 争点の蒸し返し防止は信義則で対処する余地がある
- 基準時後の新たな事由は既判力に遮断されない
- 確定判決の効力は115条所定の者にのみ及ぶ
FAQ
Q1. 仮執行宣言付判決に既判力はありますか?
仮執行宣言付判決は確定前の判決であるため、既判力はありません。ただし、執行力(仮の執行力)は認められます。
Q2. 訴え却下判決に既判力はありますか?
訴訟判決(却下判決)の既判力については争いがありますが、通説は訴訟要件の不存在について既判力は生じないとしています。