/ 商法

持分会社の体系|合名会社・合資会社・合同会社の比較

持分会社(合名・合資・合同会社)を体系的に解説。社員の責任の違い、業務執行、持分の譲渡、退社・除名の手続を比較整理します。

この記事のポイント

持分会社は株式会社と異なり社員の個性が重視される人的会社であり、合名会社・合資会社・合同会社の3種類がある。 社員の責任の範囲が最大の違いである。


3種類の持分会社

項目 合名会社 合資会社 合同会社 社員の種類 無限責任社員のみ 無限+有限責任社員 有限責任社員のみ 社員の責任 直接無限連帯責任 無限/有限 間接有限責任 最低社員数 1名 各1名以上 1名 業務執行 各社員 無限責任社員 各社員 定款変更 総社員の同意 総社員の同意 総社員の同意

社員の責任

無限責任社員

会社債権者に対して直接・無限・連帯で責任を負う(580条1項)。

有限責任社員

出資の価額を限度として間接的に責任を負う(580条2項)。


業務執行と代表

項目 内容 業務執行 各社員が業務執行権を有する(原則・590条) 業務執行社員 定款で業務執行社員を定めることが可能 代表 各業務執行社員が代表権を有する(599条) 代表社員 定款で代表社員を定めることが可能

持分の譲渡

場面 要件 原則 他の社員全員の承諾(585条1項) 業務を執行しない有限責任社員 業務執行社員全員の承諾(585条2項)

退社・除名

退社事由

類型 事由 任意退社 6か月前の予告(606条)/やむを得ない事由 法定退社 死亡、合併、破産手続開始、除名等(607条)

除名

正当な事由がある場合に、他の社員の過半数の決議により訴えをもって除名できる(859条)。


合同会社(LLC)の特徴

項目 内容 設立 定款の作成+出資の履行+設立登記(公証人の認証不要) 利益分配 定款で自由に定められる(出資比率と異なる分配可) 課税 法人課税(パススルー課税の適用なし) 実務上の利用 外資系企業の日本法人、投資ビークル等

まとめ

  • 持分会社は社員の個性が重視される人的会社
  • 合名会社は無限責任社員のみ、合同会社は有限責任社員のみ
  • 業務執行は各社員が行うのが原則
  • 持分の譲渡には他の社員の承諾が必要
  • 合同会社は設立が簡易で柔軟な利益分配が可能

FAQ

Q1. 合同会社から株式会社への変更は可能ですか?

可能です。組織変更(743条〜)の手続により、持分会社から株式会社に変更できます。総社員の同意と債権者保護手続が必要です。

Q2. 合同会社にも決算公告は必要ですか?

不要です。株式会社は計算書類の公告義務がありますが、持分会社にはこの義務がありません。

Q3. LLCとLLPの違いは?

LLC(合同会社)は法人格を有する会社ですが、LLP(有限責任事業組合)は法人格のない組合です。LLPはパススルー課税が適用される点が税務上のメリットです。


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