/ 民事訴訟法

自白と自由心証主義|裁判上の自白の拘束力と撤回制限

裁判上の自白と自由心証主義を解説。自白の拘束力、撤回制限、擬制自白、自由心証主義の意義と限界、証明責任の分配を整理します。

この記事のポイント

裁判上の自白は弁論主義の第2テーゼの現れであり、当事者と裁判所を拘束する。 自白の撤回は原則として許されないが、反真実・錯誤の立証により例外的に認められる。


裁判上の自白

定義

口頭弁論又は弁論準備手続において、相手方の主張する自己に不利益な事実を認める陳述。

要件

要件 内容 口頭弁論等での陳述 準備書面のみでは不十分 相手方の主張する事実 相手方が主張した事実であること 自己に不利益な事実 相手方の主張を基礎づける事実 主要事実 弁論主義の適用がある主要事実

自白の効力

効力 内容 審判排除効 裁判所は自白された事実をそのまま判決の基礎とする 証明不要効 自白された事実は証明を要しない(179条) 撤回制限効 自白した当事者は原則として撤回できない

自白の撤回

撤回が認められる場合

場面 要件 相手方の同意 相手方が撤回に同意した場合 刑事上罰すべき行為 相手方の詐欺・脅迫による自白 反真実・錯誤 自白が真実に反し、かつ錯誤に基づくことの証明

反真実・錯誤の立証

最判昭25.7.11:反真実の証明がなされれば、錯誤は事実上推定される。


擬制自白(159条)

要件

当事者が口頭弁論で相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合。

効果

その事実を自白したものとみなす

弁論の全趣旨による排除

裁判所は弁論の全趣旨により、争う意思があると認められる場合は擬制自白を認めない。


自由心証主義(247条)

意義

裁判所は、判決をするに当たり、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果をしん酌して、自由な心証により事実認定をする。

内容

内容 説明 証拠方法の無制限 証拠の種類に制限なし 証拠力の自由評価 各証拠の証明力を裁判官が自由に評価 弁論の全趣旨の斟酌 当事者の態度等も考慮可能

限界

限界 内容 経験則違反 経験則に反する事実認定は違法 論理則違反 論理法則に反する事実認定は違法 自白の拘束力 自白された事実は心証の対象外 証明責任 証明度に達しない場合は証明責任で判断

証明責任

意義

ある事実の存否が不明な場合に、その事実を要件とする法律効果の不発生という不利益を受ける一方当事者の負担。

分配の基準

学説 内容 法律要件分類説(通説) 実体法の条文構造に基づき分配 危険領域説 証拠に近い当事者に負担させる

法律要件分類説による分配

事実の種類 証明責任 権利根拠事実 権利を主張する者 権利障害事実 相手方 権利消滅事実 相手方 権利阻止事実 相手方

まとめ

  • 裁判上の自白は審判排除効・証明不要効・撤回制限効を有する
  • 自白の撤回は反真実+錯誤の立証で例外的に可能
  • 自由心証主義は証拠力の自由評価を認めるが経験則・論理則が限界
  • 証明責任は法律要件分類説により分配されるのが通説
  • 擬制自白は争うことを明らかにしない場合に成立

FAQ

Q1. 権利自白には裁判所に対する拘束力がありますか?

権利自白(法律上の主張についての自白)には、裁判所に対する拘束力はないとするのが通説です。ただし、所有権の自白など具体的な権利の自白には争いがあります。

Q2. 証明度はどの程度ですか?

「高度の蓋然性」が必要です(最判昭50.10.24)。真偽不明の場合に証明責任により判断されます。


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