当事者訴訟と客観訴訟|確認訴訟の活用と住民訴訟
当事者訴訟と客観訴訟を解説。実質的当事者訴訟としての確認訴訟、民衆訴訟(住民訴訟)、機関訴訟の要件と活用場面を整理します。
この記事のポイント
当事者訴訟(特に実質的当事者訴訟としての確認訴訟)は2004年改正で注目が高まった訴訟類型である。 客観訴訟として住民訴訟・機関訴訟も試験で問われることが増えている。
当事者訴訟
形式的当事者訴訟(行訴法4条前段)
法令の規定により当事者の一方を被告とする訴訟。実質は抗告訴訟だが、法令が当事者訴訟の形式を定めるもの。
例 根拠法 土地収用の損失補償に関する訴え 土地収用法133条 形式的当事者訴訟一般 個別法の定め実質的当事者訴訟(行訴法4条後段)
公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟。
活用場面 例 公法上の地位の確認 国籍確認訴訟 公法上の法律関係の確認 在外邦人選挙権確認訴訟(最大判平17.9.14) 処分性が否定される場合の受け皿 行政計画に対する確認訴訟実質的当事者訴訟としての確認訴訟の活用
2004年改正の意義
行訴法4条後段に「確認の訴え」が明示され、確認訴訟の活用が促進された。
確認の利益
要件 内容 方法選択の適切性 確認訴訟が紛争解決に適切か 対象選択の適切性 確認対象が適切に選択されているか 即時確定の利益 現時点で確認を求める必要性重要判例
判例 内容 最大判平17.9.14(在外邦人選挙権) 次回選挙で投票できる地位の確認を認容客観訴訟
民衆訴訟(行訴法5条)
国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するもの。
類型 根拠法 選挙訴訟 公職選挙法 住民訴訟 地方自治法242条の2住民訴訟(地方自治法242条の2)
要件 内容 前提 住民監査請求を経ること(242条) 原告適格 普通地方公共団体の住民 対象 財務会計上の行為4号訴訟(損害賠償請求)
住民が地方公共団体に代位して職員等に損害賠償を請求する訴訟から、2017年改正により地方公共団体が職員等に損害賠償を請求することを求める訴訟に変更。
機関訴訟(行訴法6条)
国又は公共団体の機関相互間における権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟。
まとめ
- 実質的当事者訴訟は処分性が認められない場合の受け皿として重要
- 確認訴訟の活用が2004年改正で促進された
- 住民訴訟は住民監査請求前置が必要
- 4号訴訟は2017年改正で義務付け訴訟型に変更
- 客観訴訟は法律に定めがある場合のみ提起可能