抗告訴訟の総括|6類型の体系的理解と選択基準
抗告訴訟の6類型を体系的に整理。取消訴訟・無効等確認訴訟・不作為の違法確認訴訟・義務付け訴訟・差止訴訟の要件比較と選択基準を解説します。
この記事のポイント
抗告訴訟は行訴法3条に規定される6類型から成り、事案に応じた適切な訴訟類型の選択が求められる。 各訴訟の要件を比較しながら体系的に理解する。
抗告訴訟の6類型
類型 条文 内容 取消訴訟 3条2項 処分の取消しを求める 無効等確認訴訟 3条4項 処分の無効等の確認を求める 不作為の違法確認訴訟 3条5項 不作為の違法の確認を求める 義務付け訴訟 3条6項 処分をすべき旨を命ずることを求める 差止訴訟 3条7項 処分をしてはならない旨を命ずることを求める 無名抗告訴訟 3条1項 法定されていない抗告訴訟訴訟要件の比較
訴訟類型 処分性 原告適格 出訴期間 その他 取消訴訟 必要 9条 6か月 - 無効等確認 必要 36条 なし 重大明白な瑕疵 不作為の違法確認 - 申請者 なし 申請に対する不作為 義務付け(非申請型) 必要 37条の2 - 重大な損害+補充性 義務付け(申請型) 必要 37条の3 - 併合提起 差止訴訟 必要 37条の4 - 重大な損害+補充性訴訟類型の選択基準
既になされた処分に対する争い
状況 適切な訴訟 出訴期間内 取消訴訟 出訴期間経過・重大明白な瑕疵あり 無効等確認訴訟 処分の効果が消滅 訴えの利益の検討処分がなされていない場合
状況 適切な訴訟 申請に対して処分がない 不作為の違法確認+義務付け(申請型) 申請権なし・処分を求めたい 義務付け(非申請型) 将来の処分を阻止したい 差止訴訟処分性がない場合
状況 適切な訴訟 公法上の法律関係の確認 実質的当事者訴訟 損害賠償 国家賠償訴訟無効等確認訴訟の訴訟要件
行訴法36条
要件 内容 現在の法律関係に関する訴えでは目的が達せられない 補充性 処分の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者 原告適格まとめ
- 抗告訴訟は6類型を正確に区別
- 訴訟類型の選択は事案の状況に応じて判断
- 取消訴訟が中心的類型であり他の訴訟との関係を意識
- 処分性がない場合は当事者訴訟が受け皿
- 答案では訴訟選択の理由を論じることが重要