住民訴訟の体系|4号訴訟を中心とした要件・手続
住民訴訟の体系を解説。住民監査請求前置、4号訴訟の要件、財務会計行為の違法性、2017年改正のポイントを整理します。
この記事のポイント
住民訴訟は地方自治法242条の2に規定される客観訴訟であり、住民監査請求の前置が必要である。 4号訴訟(損害賠償請求)が実務・試験ともに最重要である。
住民監査請求(地方自治法242条)
要件
要件 内容 請求権者 当該普通地方公共団体の住民 対象 違法又は不当な財務会計上の行為・怠る事実 期間 当該行為があった日から1年以内(正当な理由あれば例外)対象となる財務会計行為
行為 例 公金の支出 違法な補助金の支出 財産の取得・管理・処分 不当に安い売却 契約の締結・履行 随意契約の違法 債務その他の義務の負担 違法な債務負担行為 怠る事実 債権の回収を怠ること住民訴訟の4類型(242条の2第1項)
号 類型 内容 1号 差止請求 当該行為の差止め 2号 取消し・無効確認 行政処分の取消し・無効確認 3号 怠る事実の違法確認 違法な怠る事実の確認 4号 損害賠償・不当利得返還 職員等への賠償・返還請求を求める4号訴訟の詳細
2017年改正
改正前 改正後 住民が自治体に代位して職員等に直接請求 自治体が職員等に損害賠償等の請求をすることを求める訴訟被告
地方公共団体の執行機関又は職員(2017年改正後)。
財務会計行為の違法性
論点 内容 先行行為と財務会計行為 先行する非財務会計行為の違法は原則として財務会計行為の違法を基礎づけない 例外 先行行為が著しく合理性を欠き、財務会計行為の前提を欠く場合重要判例
判例 内容 最判平4.12.15(一日校長事件) 先行行為の違法と財務会計行為の違法の関係 最判平20.1.18 随意契約の違法性の判断基準まとめ
- 住民訴訟は住民監査請求前置が必須
- 4号訴訟は2017年改正で義務付け訴訟型に変更
- 財務会計行為の違法性は先行行為との関係で検討
- 監査請求期間は1年(正当な理由による例外あり)
- 怠る事実に対する監査請求には期間制限なし