行政手続法の体系|申請に対する処分・不利益処分・行政指導
行政手続法を体系的に解説。申請に対する処分と不利益処分の手続、聴聞と弁明、行政指導の限界、意見公募手続を整理します。
この記事のポイント
行政手続法は行政過程の適正を確保するための手続法であり、申請に対する処分と不利益処分の手続を区別して理解することが重要である。
行政手続法の適用範囲
適用対象
対象 章 申請に対する処分 第2章(5条〜11条) 不利益処分 第3章(12条〜31条) 行政指導 第4章(32条〜36条の2) 届出 第5章(37条) 意見公募手続 第6章(38条〜45条)適用除外(3条)
地方公共団体の機関がする処分・行政指導・届出には原則として適用されない(ただし46条により努力義務)。
申請に対する処分(第2章)
審査基準(5条)
行政庁は審査基準を定めて公にしておかなければならない(法的義務)。
標準処理期間(6条)
申請に対する処分の標準処理期間を定めるよう努めなければならない(努力義務)。
理由の提示(8条)
申請を拒否する処分をする場合、理由を示さなければならない。
判例 内容 最判平23.6.7(一級建築士免許取消し) 理由提示は処分の根拠法令の条項に加え、原因となる事実を具体的に示す必要がある不利益処分(第3章)
処分基準(12条)
不利益処分の処分基準を定めて公にしておくよう努めなければならない(努力義務)。
聴聞と弁明の機会の付与
手続 対象 方式 聴聞(13条1項1号) 許認可の取消し・資格の剥奪等 口頭審理・文書閲覧権あり 弁明の機会の付与(13条1項2号) その他の不利益処分 原則書面理由の提示(14条)
不利益処分をする場合、理由を示さなければならない。
行政指導(第4章)
行政指導の一般原則(32条)
原則 内容 任務の範囲 行政機関の任務又は所掌事務の範囲内 任意性 相手方の任意の協力によってのみ実現される 不利益取扱いの禁止 従わないことを理由に不利益な取扱いをしてはならない申請に関連する行政指導(33条)
申請の取下げ・内容変更を求める行政指導は、申請者が従う意思がない旨を表明したにもかかわらず継続してはならない。
行政指導の中止等の求め(36条の2)
法令違反行為の是正を求める行政指導が法律の要件に適合しないと思料する場合、中止等を求めることができる(2014年改正で追加)。
意見公募手続(第6章)
命令等を定めようとする場合に、広く一般の意見を求める手続(パブリックコメント手続)。
要素 内容 対象 命令等(政令・省令・審査基準・処分基準等) 期間 30日以上 結果公示 提出意見と考慮結果を公示まとめ
- 審査基準の設定・公表は法的義務、処分基準は努力義務
- 不利益処分は聴聞と弁明を区別して整理
- 理由の提示は具体的な事実の記載が必要(判例)
- 行政指導は任意性が本質であり強制は許されない
- 意見公募手続は命令等の制定に際して必要