行政指導と行政契約|非権力的行政作用の法的統制
行政指導と行政契約を解説。行政指導の法的限界、処分性の問題、行政契約の類型と法的統制を整理します。
この記事のポイント
行政指導と行政契約は非権力的行政作用であり、法律による行政の原理との関係で法的統制のあり方が問題となる。 行政指導の限界と行政契約の適法性の判断基準を押さえる。
行政指導
行政指導の意義(行手法2条6号)
行政機関が一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないもの。
行政指導の法的性質
性質 内容 非権力性 法的拘束力を持たない 任意性 相手方の任意の協力が前提 事実行為 処分ではない行政指導の限界
限界 根拠 任務の範囲内 行手法32条1項 従わないことを理由とする不利益取扱い禁止 行手法32条2項 申請に関連する行政指導の制約 行手法33条 許認可権限との関係 行手法34条重要判例
判例 内容 品川マンション事件(最判昭60.7.16) 行政指導に従わない者に対する給水拒否は違法 武蔵野マンション事件(最判平5.2.18) 指導要綱に基づく教育施設負担金の納付の事実上の強制は違法行政契約
行政契約の意義
行政主体が行政目的の達成のために締結する契約。
類型
類型 例 公法上の契約 公害防止協定 私法上の契約 公共用地の取得(任意買収) 行政主体間の契約 事務の委託法的統制
問題 内容 法律の留保 行政契約に法律の根拠が必要か 契約の拘束力 法令の変更による契約の効力 平等原則 契約内容の合理性 比例原則 手段の相当性公害防止協定
論点 内容 法的拘束力 紳士協定説と法的拘束力肯定説の対立 判例 法的拘束力を認める傾向(最判平21.7.10)まとめ
- 行政指導は非権力的行為であり処分性は原則否定
- 任意性の逸脱は行政指導の違法を基礎づける
- 行政契約は法律の留保との関係が論点
- 公害防止協定には法的拘束力が認められる傾向