地方自治法と行政法|条例制定権・住民自治・団体自治
地方自治法と行政法の関係を解説。条例制定権の範囲、住民自治と団体自治、長と議会の関係、住民の直接請求を整理します。
この記事のポイント
地方自治法は行政法の中でも独自の法体系を形成しており、条例制定権の範囲と法律との関係、住民訴訟の仕組みが試験で問われる。
地方自治の基本原則
憲法上の保障
条文 内容 92条 地方自治の本旨 93条 議事機関・首長の直接選挙 94条 条例制定権 95条 特別法の住民投票住民自治と団体自治
原則 内容 住民自治 地方の政治・行政は住民の意思に基づいて行われる 団体自治 地方の政治・行政は国から独立した団体が自主的に行う条例制定権
範囲
「法律の範囲内で」条例を制定できる(憲法94条)。
法律と条例の関係
徳島市公安条例事件(最大判昭50.9.10)の基準:
判断要素 内容 法律の趣旨 法律が全国一律の規制を意図しているか 法律の目的 条例が法律と同一目的か異なる目的か 法律の効果 条例が法律の効果を阻害するか条例と罰則
要素 内容 根拠 地方自治法14条3項 上限 2年以下の懲役・禁錮、100万円以下の罰金等 条例の明確性 罰則規定は明確でなければならない長と議会の関係
二元代表制
長と議会がそれぞれ住民から直接選挙される。
長の権限
権限 内容 執行機関 地方公共団体の事務を管理・執行 議案提出権 議会に議案を提出 再議権 議会の議決に対する再議(176条・177条) 専決処分 議会が議決すべき事項を長が処分(179条・180条)住民の直接請求
請求 要件 対象 条例の制定改廃請求 有権者の1/50以上 長に請求→議会議決 事務監査請求 有権者の1/50以上 監査委員に請求 議会の解散請求 有権者の1/3以上 選挙管理委員会→住民投票 長の解職請求 有権者の1/3以上 選挙管理委員会→住民投票 議員の解職請求 有権者の1/3以上 選挙管理委員会→住民投票地方公共団体の事務
2000年分権改革後
事務 内容 自治事務 法定受託事務以外の事務 法定受託事務 法律により処理が義務付けられた国の事務関与
関与の類型 自治事務 法定受託事務 助言・勧告 ○ ○ 是正の要求 ○ - 是正の指示 - ○ 代執行 - ○まとめ
- 条例制定権は法律の範囲内(徳島市公安条例事件の基準)
- 住民自治と団体自治は地方自治の本旨の両輪
- 直接請求は署名数要件を正確に把握
- 自治事務と法定受託事務で国の関与の態様が異なる
- 長の専決処分は議会との関係で問題となる