1不動産等(不動産又は人の居住する船舶等をいう。以下この条及び次条において同じ。)の引渡し又は明渡しの強制執行は、執行官が債務者の不動産等に対する占有を解いて債権者にその占有を取得させる方法により行う。
2執行官は、前項の強制執行をするため同項の不動産等の占有者を特定する必要があるときは、当該不動産等に在る者に対し、当該不動産等又はこれに近接する場所において、質問をし、又は文書の提示を求めることができる。
3第一項の強制執行は、債権者又はその代理人が執行の場所に出頭したときに限り、することができる。
4執行官は、第一項の強制執行をするに際し、債務者の占有する不動産等に立ち入り、必要があるときは、閉鎖した戸を開くため必要な処分をすることができる。
5執行官は、第一項の強制執行においては、その目的物でない動産を取り除いて、債務者、その代理人又は同居の親族若しくは使用人その他の従業者で相当のわきまえのあるものに引き渡さなければならない。この場合において、その動産をこれらの者に引き渡すことができないときは、執行官は、最高裁判所規則で定めるところにより、これを売却することができる。
6執行官は、前項の動産のうちに同項の規定による引渡し又は売却をしなかつたものがあるときは、これを保管しなければならない。この場合においては、前項後段の規定を準用する。
7前項の規定による保管の費用は、執行費用とする。
8第五項(第六項後段において準用する場合を含む。)の規定により動産を売却したときは、執行官は、その売得金から売却及び保管に要した費用を控除し、その残余を供託しなければならない。
9第五十七条第五項の規定は、第一項の強制執行について準用する。
この条文の過去問 3問
正しい。不動産の引渡債務は直接強制のほか、債権者の申立てにより間接強制によっても強制できる(民事執行法173条1項)。
不動産の引渡しを目的とする債務は、執行官が債務者の占有を解いて債権者に占有を取得させる直接強制によって実現される(民事執行法168条1項)。もっとも、民事執行法173条1項は、直接強制や代替執行ができる債務についても、債権者の申立てがあるときは間接強制の方法によることができると定める。直接強制は執行官の手続や費用がかかり、債務者に任意の履行を促すほうが簡便で、債権者の目的を早く達する場合もあるから、どの方法を使うかを債権者に選ばせているのである。賃貸人が賃貸建物を引き渡さないときは、賃借人は賃貸借契約に基づく引渡請求権を持つから、直接強制のほか、遅延の期間に応じて一定額の金銭の支払を命じる間接強制(同法172条1項)を裁判所に請求することもできる。したがって、肢は正しい。金銭債務と違い、不動産の引渡債務には間接強制の制限はないのである。

債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定に従い、直接強制、代替執行、間接強制その他の方法による履行の強制を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
- 直接強制:不動産の引渡し・明渡し(民執168条)、動産の引渡し(民執169条)。申立てにより間接強制も可(民執173条)
- 代替執行:代替的作為(工作物の撤去・建物の一部除去・謝罪広告)、不作為の結果の除去(民執171条)。申立てにより間接強制も可
- 間接強制:不代替的作為・結果の残らない不作為(夜間のピアノ演奏の禁止)など(民執172条)。金銭債務は扶養料等に限る(民執167条の15)
- 意思表示の擬制:登記手続を命じる判決など。確定の時に意思表示をしたものとみなす(民執177条)
- 強制できない:性質上許さないもの(414条1項ただし書)、自然債務、不執行の合意がある債務
正しい。不動産の引渡債務は直接強制のほか、債権者の申立てにより間接強制によっても強制できる(民事執行法173条1項)。
不動産の引渡しを目的とする債務は、執行官が債務者の占有を解いて債権者に占有を取得させる直接強制によって実現される(民事執行法168条1項)。もっとも、民事執行法173条1項は、直接強制や代替執行ができる債務についても、債権者の申立てがあるときは間接強制の方法によることができると定める。直接強制は執行官の手続や費用がかかり、債務者に任意の履行を促すほうが簡便で、債権者の目的を早く達する場合もあるから、どの方法を使うかを債権者に選ばせているのである。賃貸人が賃貸建物を引き渡さないときは、賃借人は賃貸借契約に基づく引渡請求権を持つから、直接強制のほか、遅延の期間に応じて一定額の金銭の支払を命じる間接強制(同法172条1項)を裁判所に請求することもできる。したがって、肢は正しい。金銭債務と違い、不動産の引渡債務には間接強制の制限はないのである。

債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定に従い、直接強制、代替執行、間接強制その他の方法による履行の強制を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
- 直接強制:不動産の引渡し・明渡し(民執168条)、動産の引渡し(民執169条)。申立てにより間接強制も可(民執173条)
- 代替執行:代替的作為(工作物の撤去・建物の一部除去・謝罪広告)、不作為の結果の除去(民執171条)。申立てにより間接強制も可
- 間接強制:不代替的作為・結果の残らない不作為(夜間のピアノ演奏の禁止)など(民執172条)。金銭債務は扶養料等に限る(民執167条の15)
- 意思表示の擬制:登記手続を命じる判決など。確定の時に意思表示をしたものとみなす(民執177条)
- 強制できない:性質上許さないもの(414条1項ただし書)、自然債務、不執行の合意がある債務

