強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。確定判決仮執行の宣言を付した判決抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(確定しなければその効力を生じない裁判にあつては、確定したものに限る。)仮執行の宣言を付した損害賠償命令仮執行の宣言を付した届出債権支払命令仮執行の宣言を付した支払督促訴訟費用、和解の費用若しくは非訟事件(他の法令の規定により非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)の規定を準用することとされる事件を含む。)、家事事件若しくは国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成二十五年法律第四十八号)第二十九条に規定する子の返還に関する事件の手続の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分又は第四十二条第四項に規定する執行費用及び返還すべき金銭の額を定める裁判所書記官の処分(後者の処分にあつては、確定したものに限る。)金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載され、又は記録されているもの(以下「執行証書」という。)確定した執行判決のある外国裁判所の判決(家事事件における裁判を含む。第二十四条において同じ。)確定した執行決定のある仲裁判断確定した執行等認可決定のある仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第四十八条に規定する暫定保全措置命令確定した執行決定のある国際和解合意確定した執行決定のある特定和解確定判決と同一の効力を有するもの(第三号に掲げる裁判を除く。)
1 確定判決
2 仮執行の宣言を付した判決
3 抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(確定しなければその効力を生じない裁判にあつては、確定したものに限る。)
3 仮執行の宣言を付した損害賠償命令
3 仮執行の宣言を付した届出債権支払命令
4 仮執行の宣言を付した支払督促
4 訴訟費用、和解の費用若しくは非訟事件(他の法令の規定により非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)の規定を準用することとされる事件を含む。)、家事事件若しくは国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成二十五年法律第四十八号)第二十九条に規定する子の返還に関する事件の手続の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分又は第四十二条第四項に規定する執行費用及び返還すべき金銭の額を定める裁判所書記官の処分(後者の処分にあつては、確定したものに限る。)
5 金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載され、又は記録されているもの(以下「執行証書」という。)
6 確定した執行判決のある外国裁判所の判決(家事事件における裁判を含む。第二十四条において同じ。)
6 確定した執行決定のある仲裁判断
6 確定した執行等認可決定のある仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第四十八条に規定する暫定保全措置命令
6 確定した執行決定のある国際和解合意
6 確定した執行決定のある特定和解
7 確定判決と同一の効力を有するもの(第三号に掲げる裁判を除く。)
この条文の過去問 3問
正しい。第三者も訴訟上の和解に加わることができ、和解条項でその第三者が債務を負うと定めれば、和解調書はその第三者に対する債務名義となる。
訴訟上の和解は、当事者が自由に処分できる権利関係について互いに譲歩して争いをやめる合意であり、その合意に第三者が加わることも許される。例えば、被告の債務について第三者が保証人として支払を約束する場合のように、第三者を加えたほうが紛争を実効的に解決できることが多いからである。第三者は補助参加などの参加の手続をとらなくても和解に加わることができる。和解が電子調書に記録されると確定判決と同一の効力を有し(267条1項)、和解調書は民事執行法22条7号の債務名義となるから、和解条項でその第三者が給付義務を負うと定められていれば、その第三者に対しても強制執行をすることができる。和解の当事者として合意した以上、その者に執行力が及ぶことは不当でないのである。

裁判所書記官が、和解又は請求の放棄若しくは認諾について電子調書を作成し、これをファイルに記録したときは、その記録は、確定判決と同一の効力を有する。
- 時期:訴訟がいかなる程度にあるかを問わない(89条1項)。口頭弁論終結後も再開せずに試みられる
- 対象:訴訟物以外の権利も含められる(最判昭43.3.29)
- 主体:第三者も加わることができ、和解調書はその第三者に対する債務名義にもなる
- 互譲:程度は問わず、請求を認めて期限の猶予を受けるだけでもよい
- 効力:電子調書に記録されると確定判決と同一の効力を有する(267条1項)
- 成立時の瑕疵:期日指定の申立て・和解無効確認の訴え・請求異議の訴えのいずれでも争える
正しい。認諾が調書に記録されると確定判決と同一の効力を有し、給付請求の認諾調書は債務名義として執行力を持つ(267条1項、民事執行法22条7号)。
267条1項は、請求の認諾について調書が作成されたときは、その記録は確定判決と同一の効力を有すると定める。現在は令和4年改正により、裁判所書記官が電子調書を作成してファイルに記録したときにこの効力が生じる。民事執行法22条7号は、確定判決と同一の効力を有するものを債務名義に挙げているから、給付請求について認諾が調書に記録されれば、その調書に基づいて強制執行をすることができる。被告が給付義務を認めて訴訟を終わらせた以上、改めて判決を得させる必要はなく、判決と同じく権利の実現手段を与えるのが合理的だからである。認諾調書に既判力まで認められるかについては争いがあるが、給付請求の認諾調書に執行力があることに争いはない。肢は正しい。

裁判所書記官が、和解又は請求の放棄若しくは認諾について電子調書を作成し、これをファイルに記録したときは、その記録は、確定判決と同一の効力を有する。
- 場:口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日(266条1項)。控訴審・上告審でもできる
- 書面と欠席:放棄・認諾の書面を出して期日に欠席すれば、陳述したものとみなすことができる(266条2項)
- 条件:条件付きの認諾は認諾にならない
- 代理:訴訟代理人は特別の委任(55条2項2号)、法定代理人などは特別の授権(32条2項)が必要である
- 人事訴訟:放棄・認諾の規定は適用されない(人事訴訟法19条2項)。離婚・離縁の訴えは例外である
- 効果:電子調書に記録されると確定判決と同一の効力を有し(267条1項)、給付請求の認諾調書は債務名義になる(民事執行法22条7号)
正しい。和解調書は確定判決と同一の効力を有し(267条1項)、和解の後に義務者Yから建物を借り受けて敷地を占有するZは承継人として、調書の存在を知っていたかどうかにかかわらず、その効力を受ける(最判昭26.4.13)。
訴訟上の和解が調書に記録されると確定判決と同一の効力を有し(267条1項)、給付を内容とする和解調書は債務名義となる(民事執行法22条7号)。確定判決の効力は口頭弁論終結後の承継人にも及び(115条1項3号)、和解調書についても、和解の後に承継した者に効力が及ぶ。最判昭26.4.13は、裁判上の和解により建物収去土地明渡義務を負った者から建物を借り受けて敷地を占有するに至った者は、その占有を承継したものであり、和解調書の効力は、その者が調書の存在を知っていたか否かにかかわらず承継人として及ぶとした。建物収去土地明渡しの義務は土地の占有に結びついたものであるから、建物を借りて土地の占有を引き継いだZは、Yの義務を承継した者に当たる。承継人が判決や調書を知っていたかどうかで効力が左右されると、執行の安定が損なわれる。肢は正しい。

前二号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人
| 事案 | 判例 | 結論 |
|---|---|---|
| 所有権に基づく引渡請求の認容判決の後、被告が所有権確認 | 最判昭30.12.1 | 理由中の所有権の判断に既判力なし。後訴は妨げられない |
| 白地手形のまま請求して棄却、補充して再訴 | 最判昭57.3.30 | 前訴の基準時前に補充できた以上、特段の事情がなければ既判力で遮断 |
| 限定承認の留保付判決の後、法定単純承認を理由に無留保判決を求める | 最判昭49.4.26 | 既判力に準ずる効力で許されない |
| 債務逃れの新会社に旧会社の判決の効力を及ぼす | 最判昭53.9.14 | 既判力・執行力は拡張されない |
| 和解調書の義務者から建物を借り受けた占有者 | 最判昭26.4.13 | 承継人として、調書を知っていたかを問わず効力が及ぶ |


