捜索・差押えの要件|令状の範囲・場所的限定・電磁的記録
刑事訴訟法
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捜索・差押えの要件を解説。令状の記載事項、捜索の範囲、差押えの対象物、電磁的記録の差押え、令状によらない差押えを整理します。
この記事のポイント
捜索・差押えは令状に基づいて行われるのが原則であり、令状の範囲の画定が重要である。 近時は電磁的記録の差押えやGPS捜査の令状の要否が重要論点となっている。
捜索・差押えの根拠
| 種類 | 条文 | 主体 |
|---|---|---|
| 捜査機関の捜索・差押え | 218条 | 検察官・司法警察職員 |
| 裁判所の捜索・差押え | 99条〜 | 裁判所 |
| 逮捕に伴う捜索・差押え | 220条 | 逮捕する者 |
令状による捜索・差押え(218条)
令状の記載事項(219条1項)
| 事項 | 内容 |
|---|---|
| 被疑者の氏名 | 被疑者の特定 |
| 罪名 | 被疑事実の罪名 |
| 差し押さえるべき物 | 差押えの対象物の特定 |
| 捜索すべき場所・身体・物 | 捜索場所の特定 |
| 有効期間 | 令状の有効期間 |
捜索の範囲
令状に記載された場所に限定される。ただし、その場所に存在する物や人の身体にも及ぶことがある。
逮捕に伴う捜索・差押え(220条)
要件
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 適法な逮捕 | 逮捕の現場であること |
| 令状不要 | 逮捕の際に令状なしで可能 |
| 時間的範囲 | 逮捕する場合(逮捕と同時又はこれに接着した時間) |
| 場所的範囲 | 逮捕の現場(管理権の及ぶ範囲) |
逮捕の現場の範囲
| 学説 | 内容 |
|---|---|
| 緊急処分説 | 逮捕に伴う混乱に乗じた証拠破壊防止が根拠 |
| 相当説 | 合理的に判断して逮捕の現場と認められる範囲 |
電磁的記録の差押え
2011年改正
| 方法 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 記録媒体の差押え | 99条1項 | パソコン等の媒体ごと差押え |
| 記録の複写 | 110条の2 | データを他の記録媒体に複写して差押え |
| リモートアクセス | 99条2項・218条2項 | ネットワークで接続された記録媒体のデータにアクセスして差押え |
GPS捜査
最大判平29.3.15
GPS捜査は、車両に使用者の承諾なくGPS端末を取り付けてその位置情報を検索・把握する捜査手法であり、強制処分に当たる。
| 判断 | 内容 |
|---|---|
| 強制処分該当性 | 個人のプライバシーを侵害する→強制処分 |
| 現行法の令状 | 検証許可状では対応困難 |
| 立法的措置の必要性 | 新たな立法的措置が必要 |
まとめ
- 捜索・差押えは令状に記載された範囲内で実施
- 逮捕に伴う捜索・差押えは令状不要だが範囲に限定あり
- 電磁的記録は複写による差押え・リモートアクセスが可能
- GPS捜査は強制処分に当たる(最大判平29.3.15)
- 令状の特定性が適法性判断の鍵
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