職務質問と所持品検査|任意捜査の限界と判例
職務質問と所持品検査の法的問題を解説。職務質問の要件と限界、所持品検査の適法性基準、有形力行使の限界、重要判例を整理します。
この記事のポイント
職務質問(警察官職務執行法2条)は任意処分であるが、一定の有形力の行使が許容される場合がある。 所持品検査は職務質問に付随する行為として認められるが、その限界が問題となる。
職務質問(警職法2条)
要件
要件 内容 異常な挙動 挙動不審 合理的に判断して 犯罪を犯し又は犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由 停止させて 質問することができる任意性の原則
職務質問はあくまで任意処分であり、対象者の意思に反して身体を拘束することはできない(警職法2条3項)。
有形力行使の限界
判例 内容 最決昭29.7.15 職務質問のための停止行為は強制にわたらない限り許容 最判昭53.6.20 腕をつかむ等の行為も状況に応じて許容される場合がある所持品検査
法的根拠
所持品検査は職務質問に付随する行為として認められる(最判昭53.6.20)。
適法性の判断基準(最判昭53.6.20)
要素 内容 必要性・緊急性 所持品検査の必要性と緊急性 侵害の程度 個人の法益への侵害の程度 強制にわたらない 原則として承諾を得て行う 例外 捜索に至らない程度の行為は許容される場合あり具体的な限界
態様 適法性 外から触れて確認 状況次第で適法 バッグのチャックを開ける 原則違法(承諾なければ) ポケットに手を入れる 原則違法自動車検問
一斉検問
判例 内容 最決昭55.9.22 警察法2条1項を根拠に、交通の安全等のための一斉検問は適法 要件 任意の協力を求める形で行い、強制にわたらないことまとめ
- 職務質問は任意処分だが一定の有形力行使は許容
- 所持品検査は職務質問に付随する行為(最判昭53.6.20)
- 所持品検査の限界は必要性・緊急性と侵害の程度の衡量
- 捜索に至らない程度の行為であることが必要
- 一斉検問は任意の形であれば適法