私人間効力|人権規定の私人間適用と間接適用説
人権規定の私人間効力を解説。直接適用説と間接適用説の対立、三菱樹脂事件の判旨、具体的な適用場面を整理します。
この記事のポイント
憲法の人権規定は国家と私人の関係を規律するのが原則であるが、私人間でも間接適用説により民法の一般条項を通じて適用される。
私人間効力の問題
問題の所在
憲法の人権規定が私人間の法律関係に適用されるか。
学説の対立
学説 内容 無適用説(不適用説) 人権規定は国家に対するもので私人間には適用されない 直接適用説 人権規定が直接私人間に適用される 間接適用説(判例・通説) 民法の一般条項(90条・709条等)の解釈を通じて間接的に適用間接適用説(判例)
三菱樹脂事件(最大判昭48.12.12)
要素 判断 原則 憲法の人権規定は私人間に直接適用されない 間接適用 民法の一般条項の解釈に憲法の趣旨を及ぼす 企業の自由 企業は雇用の自由を有し、思想調査も直ちに違法とはならない日産自動車事件(最判昭56.3.24)
男女別定年制を民法90条(公序良俗違反)により無効とした。
昭和女子大事件(最判昭49.7.19)
私立大学の退学処分は大学の自治に委ねられるが、社会通念上相当性が必要。
間接適用の具体的場面
場面 適用される一般条項 雇用差別 民法90条(公序良俗) 不法行為 民法709条 団体の処分 権利濫用(民法1条3項)まとめ
- 人権規定は私人間に間接適用される(判例・通説)
- 民法の一般条項を通じて憲法の趣旨を反映
- 三菱樹脂事件が間接適用説を採用した判例
- 私人間では私的自治との調整が必要
- 答案ではどの一般条項を介して適用するかを明示