違憲審査制の体系|付随的違憲審査制と憲法判断の方法
違憲審査制を体系的に解説。付随的審査制の意義、憲法判断回避の準則、法令違憲と適用違憲、合憲限定解釈を整理します。
この記事のポイント
日本の違憲審査制は付随的審査制を採用し、具体的事件の解決に必要な限度で憲法判断を行う。 法令違憲と適用違憲の区別、憲法判断回避の準則が重要である。
付随的違憲審査制
意義
具体的な訴訟事件の解決に必要な限度で、法律等の合憲性を審査する制度。
抽象的審査制との対比
項目 付随的審査制 抽象的審査制 審査の契機 具体的事件 法令自体 審査主体 通常裁判所 憲法裁判所 日本の採用 採用(81条) 不採用憲法判断の方法
法令違憲と適用違憲
類型 内容 例 法令違憲 法令自体が違憲 尊属殺重罰規定違憲判決 適用違憲 法令の当該事件への適用が違憲 猿払事件反対意見 処分違憲 法令は合憲だが処分が違憲 個別の行政処分合憲限定解釈
法令の合憲性が問題となる場合、可能な限り合憲となるように解釈する手法。
判例 内容 税関検査事件(最大判昭59.12.12) 「風俗を害すべき書籍」を限定解釈 広島市暴走族追放条例事件(最判平19.9.18) 条例の規定を限定解釈して合憲憲法判断回避の準則
ブランダイス・ルール
憲法問題に立ち入らなくても事件を解決できる場合は、憲法判断を回避すべきとする原則。
日本での適用
判例 態度 恵庭事件(札幌地判昭42.3.29) 構成要件非該当として憲法判断を回避 批判 重要な憲法問題について判断しないことは司法の責務放棄違憲判決の効力
個別的効力説(通説)
違憲判決の効力は当該事件限りであり、法令を一般的に無効とするものではない。
論点 内容 法令の効力 違憲判決後も法令は形式的に存続 国会の対応 法令の改廃は国会の権限 事実上の拘束力 最高裁の違憲判断は事実上尊重されるまとめ
- 日本は付随的違憲審査制を採用(81条)
- 法令違憲・適用違憲・処分違憲を区別
- 合憲限定解釈は法令の合憲性を救済する手法
- 憲法判断回避の準則はブランダイス・ルールに由来
- 違憲判決の効力は個別的効力説が通説